「放射線科医」
をご存じですか?

もくじ
まずはじめに、
五十嵐 唯織(窪田 正孝)
広瀬 裕乃(広瀬 アリス)ら、
ラジエーションハウスの
メンバーの職業は…
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五十嵐 唯織/窪田 正孝 -
広瀬 裕乃/広瀬 アリス
彼らの職業は
『診療放射線技師』
レントゲンやCT、MRIなどの検査機器を操作し、
検査画像=『病の写真』を撮影する国家資格をもったスペシャリストです。
また、医師の指示のもと、放射線治療(がん治療などに用いられる、患部に放射線を照射する治療)を行う事もします。
そして、
唯織のあこがれの存在、
甘春 杏(本田 翼)の職業は…
甘春 杏/本田 翼
彼女の職業は
『放射線科医』
画像診断の専門医です!
病気や怪我を診察する、皆さんの主治医。
その医師とは別に、レントゲンやCT、MRIなどの検査を行った場合、内科・外科問わず、
すべての検査の画像を診断する専門の医師、それが「放射線科医」。
画像診断のスペシャリストだからこそ視えるものがあります。
専門の医師がいることで、
正確な検査結果を
お伝えする事ができます。
放射線科で使用する
検査機器(一例)
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レントゲン(単純X線撮影)
放射線の一種、X線を1方向から照射することで体の中の状態を2次元的に撮影する機材。小規模のクリニックや歯科医院などでも設置されている事がある、放射線を用いた検査では最も使用されている手法。
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CT (Computed Tomography)
X線を1方向からではなく、全方向(360°)から照射することで、3次元的に撮影する手法。いわゆる「レントゲン検査」では、奥行きまでは視る事ができないが、CTであれば細かい断層で区切って撮影できるため、どの層に病変があるかを確認することができる。
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MRI(Magnetic Resonance Imaging)
MRIは、放射線を使うことなく、強い磁力と電磁場にて発生する、体内の水分の反応の差異を画像化する手法です。CT(X線)は撮影時、骨による影響で、画像に現れる病変箇所の差異が見分けづらい事がありますが、MRIであれば骨による影響がないので差異がはっきりと表れます。また、放射線を使用せずにすむという事の他、造影剤という薬品を使わずに血管を描出できるといったメリットもあります。ただし、磁場を使用しますので、ペースメーカーを使用している場合や、体内金属がある場合など、使用できない事もあります。また、CTに比べ検査に時間がかかる事や、CTの方が広範囲かつ細かく検査できるなど、CTとMRIではそれぞれに得意な分野があるわけです。
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核医学検査(アイソトープ検査/RI検査)
γ(ガンマ)線と呼ばれる放射線を発する「放射性医薬品」を注射、もしくは経口投与により体内に入れ、医薬品が発するγ線を計測して画像化する検査。投与された医薬品の分布や、時間経過による計測数値の変化から、臓器や組織の形だけでなく、機能や代謝状態の異常を発見する事ができます。
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エコー(超音波検査)
人間の耳には聞こえない、高い周波数を有する「超音波」を体に当てて跳ね返る信号により計測する検査。体の組織によって跳ね返る信号の強さや速さを計算して画面上に抽出。脳や骨の検査には向きませんが、レントゲンやCT、MRIと異なり、リアルタイムで観察することができます。
機材画像・検査画像提供:キヤノンメディカルシステムズ株式会社
これらの他、
様々な検査機器を使用して
診断画像を撮影します。
ですが…
日本国内では
「放射線科医」
が関与している検査は
50%しかない!?
実は、国内では放射線科医が極端に不足しており、
画像検査に直接関わっているケースは全体の半分程度にすぎません。
画像診断の専門家が関与しない事により、見落としなどの様々な弊害が生じています。
画像診断の専門医
“放射線科医”
の関与がないと、
次のような弊害が起こりえます。
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弊害1
検査適応の誤り
診断に適した検査を選択できなければ正しい結論に至る事はできません。 また無駄な検査を減らすことも医療被曝の低減には重要です。
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弊害2
病変見逃し
主治医は自分の専門領域を中心に画像を見ます。それ以外の場所に病変が偶然写っていたとしても気づかない事が多々あります。その点、画像診断の専門医はあらゆる病変の可能性を考慮して診断します。
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弊害3
主治医の報告書の確認もれ
これは本当にあってはならないことですが、放射線科医の関与があったとしても主治医が報告書を確認していなかったケースが報道されています。
引用元:日本放射線科専門医会・医会
これらの弊害を避けるために。
視逃さない、そのために
あなたができること…
主治医に診断結果を聞く際、
「この検査には
放射線科医のレポートが
ついてますか?」
と聞いてください。
これが生命をまもるための
小さな一歩です。